あなたと私で”ハピネス”を叫ぶ
太平洋の向こう岸
今年の六月
友人の紹介でアメリカ・オレゴン州の
ポートランドという街の”お寺”に招かれ
私自身の津波の体験を話しに訪れた。
ちょうど夏のプログラムの最中で
老若男女５０人ぐらいの人達が集まって
坐禅と草取りや畑の手入れなどの生活労働と
法話と朝夕のお経のおとなえを主な活動として
思った以上に真剣に務めていた。
参加者の全ては一般のアメリカ人で
日本人はもちろん日系人もいない。
そんな人達が、太平洋の向こう岸で
日本の禅宗の作法にしたがって
いわゆる”修行”をしているのが驚きだった。
私たちは
太平洋で隔てられているのではなく
太平洋でつながっている。
生きることそのものを問うプラットフォーム
５日間のプログラムの最後の１コマ１時間が
私に用意された時間だった。
つたない英語で
津波に遭ったことと
このブログに書いているような
自分がどう変わりつつあるかを話した。
アメリカも苦悩が深い。
１８歳まで学校に行っていなかった女性
ベトナム帰還兵
後で多くの人が話しかけてくれ
共感を持って聞いてくれたようだ。
国籍人種は違えど
誰もが自分の生命を”生きている”。
仏教とは
”生きることそのもの”を問うてゆく
生きたプラットフォームなのだ。
慣れ親しんだコトバ
私の話の時間が終わり、質疑応答が始まった。
トラックの上でどんなことを考えたか
家族のことをどう思ったか
いまトラウマはないのか など
いろいろな質問を受けては答えた。
その中のある若い男性が
”悩んでいる友人になんて言っていいかわからない。
悩んでいないぼくが悩んでいる友人に何をしたらいいんだろう？”
というような内容の質問をした。
私は
日本語で非常に慣れ親しんだフレーズを
英語に変換して口にした。
歴史上最もハッピーな人
”自分がハッピーでいることが
友人にとって一番の救いではないか？
ブッダ（お釈迦様）は
歴史上もっとも”ハッピーな”人だったんじゃない？”
若い男性は
”ブッダは最もハッピーな人”のところに
ちょっと驚いた様子で
私も、自分の言葉に自分が驚いた。
そうか
ブッダは
あらゆる苦しみから自由で
歴史上最もハッピーな人だったのか！
私の中でそのコトバは
”幸福” だった。
しかし口から出てきたのは
”ハッピー” だ。
幸福とハッピー。
なんて響きが違うのだろう！
言う人も聞く人も
”幸福”には鈍感になっている。
”ハッピー”には新鮮な驚きと希望が響く。
ブッダはハッピーだったのだ。
だからこそ
様々な人がブッダに会いに訪れ
教えを乞い
救われていったのだ。
このアンロック！
使われすぎたコトバ
仏教
修行
坐禅
慈悲
人生
幸福
善い
フシギな事に！
これらの”善い”コトバたちは
あまりに使われすぎたコトバたちは
”善い” 的な イメージがまとわりつき
真面目で、さりげなく窮屈で
生きている”いのち”の歓喜を
よそ者扱いし
”ロック”してるじゃないか！
シアワセ”である”ことを怖れている
どうだろう？
人はだれでもシアワセ”になりたい”と願いつつ
シアワセ”である”ことを怖れている。
シアワセを”いつか”に先延ばしにし
シアワセ”である”ことを避けている！
”一切の生きとし生けるものよ”
”幸福であれ”
幸福 シアワセ
なんだかイメージしにくいから
”ハッピー”
さらに”ハピネス”ではどうだろう？
”ハピネス”と呼んでしまおう！
宗教者は
誰よりも”ハピネス”でいなければならないじゃないか。
自分がハピネスでなくて
どうして他人にハピネスを説けるだろう？
あなたと私で”ハピネス”を叫ぶ
もはや
"宗教者"という枠なんかどうでもいい。
私は
あなたは
もっと”ハピネス”であっていいのだ！
”善い” 必要なんてない。
”ハピネス”
いのちの歓喜に突き動かされる
あなたが
私が
ハピネスであっていい。
ハピネスであることを
一体誰に気兼ねしてるんだろう？
ハピネスであろう！
皆が遠慮しているなら
あなたと私で”ハピネス”を叫んじゃおう！
”ハピネス”
使い古された
”幸福”なんかよりずっといい！
Have a good day, and peace.
