Unlock yourself. 自分を”アンロック”せよ

津波から奇跡的に生還した”禅僧”の「自分をアンロック」するブログ。

東北弁で言う、「究極の心のケア」1

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トライリンガルの悩み

私は言わばトライリンガル。東北弁(北部伊達藩弁?いわゆるズーズー弁、標準的日本語、そして拙い英語。多くの地方出身者がそうであるように、ローカルな日本語である東北弁と同時に”標準的日本語”を習得している。それから英語の学習が始まるので、結局”二度手間”になってしまう。脳内では 東北弁→日本語→英語 というプロセスが行われていて、まあ脳って器用なもんだなあと思いつつ、面倒なことをしてるもんだと生まれを嘆いたりするわけです。嘆いてはいないけど。

 

しかしどうしても 東北弁から日本語に訳せない単語 もあったりして、困ることがある。

 

たとえば「イズイ」という単語は、目にゴミが入ってイズイとか、履きなれない靴なんで足がイズイとかいった使い方をするが、日本語では  不快、心地が悪い、痛い、かゆい…いまいちしっくりくる単語がない。ところが英語だと  uncomfortable  あたりがとても近い。ならばいっそ 東北弁→英語 といったプロセスで学んだほうがスムースではないのだろうか。日本では(もしかすると東北でその傾向が強いかもしれない)方言はちょっと話すのが恥ずかしいという空気があり、私の住むような田舎では”標準的日本語が話せる”ことが、”イケてる”とも言えるのだ。

 

東北弁だけに、”サムい”ことではあるが…

 

今では”方言”のほうが”カワイイ”と思っているし、むしろ”方言のほうがイケてる”と思ってるので、東京での会合や飲み会では自慢気に”東北弁”を披露したりしている。

 

方言が恥ずかしく、標準的日本語がイケてる。

 

これも一つのロックだろう。

年齢もあるんだろうけど

もうアンロックしちゃいました。

 

satoryoki.hatenablog.com

 言葉にならない言葉

先日、50代半ばで旅立っていった方の葬儀をした。

 

故人のお母さんは85歳でご健在。

 

こういう場合、やはりお母さんが一番心配。

子供を亡くすほど、辛いことはない。

 

親戚や、周りの人たちもかける言葉もなく

非常に重苦しい空気に

それぞれが酸素不足に喘ぐような

息の詰まる場になっていた。

 

「なんて声をかけたら…」

 

そんな言葉にもならない「問い」が

軋み音となって聞こえてくるようだ。 

 

satoryoki.hatenablog.com

東北弁で言う「心のケア」 

焼香に来ている方々と挨拶をしたり立ち話をしているうちに

ある親戚の女性の方が話しかけてきた。

 

お母さんが可哀想だ、という話題で

少し言葉を交わした後

彼女はこう言った。

 

  何もしてあげらんない。 

  どうしようもないものね。

 

  せめて

  「いですけっから」って

  そうお母さんに言ったの。

 

  あんまり可哀想だけど

  「いですける」ことしかできないけどね…

 

ありがとう。

そうだよね。

 

いですける

 

いですけるしかできないよね

 

「いですける」

 

いいなあこれ。

 

標準的日本語にはないよなあ。

 

これはもしかして

 

究極の心のケア」かもしれないなあ。

 

いですける。

 

いいなあ。

 

(2へ続く)

 

Unlock yourself.

 

Unlock your life.

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