アタリマエのことが、ちゃんと起きてる不思議
それは”訪れつつある”
今年はずいぶん梅が咲くのが早い。暖冬というのは本当だったんだろう。春彼岸の檀家参りをしていると、梅の木の場所によって咲き方に随分差があるのがわかる。日当たりの良い所はやはり早く咲き、日陰がちな木はまだ固くつぼみを閉じている。
それにしても春はいい。春になりかけの今はとてもいい。花粉症の辛さを補って有り余るほど、この春がまさに”訪れつつある”この時期はいいなあ。
決めゼリフ
ところで、仏教やスピリチュアル業界には、特徴的な「決めゼリフ」がたくさんある。その多くは何やらとてもスケールの大きなもので、その”言葉のひびき”だけで少なからず”うっとり”してしまう。「宇宙」「母なる大地」「ワンネス」「愛」「悟り」もしかしたら「絆」「未来」「希望」。
不思議さを生きつつある
津波に遭ってからというもの、”当たり前の日常が”この上なく貴重なものに思える。そしてそもそも、”アタリマエのこと”が、当たり前のように”ちゃんと起きること”の不思議さに、なんとも言えない”おかげさま感”がある。
春に、梅が咲く。
こんなアタリマエのことが、ちゃんと起きている不思議。
僕らはそれを受け取りつつ、生きつつある。
妻が、朝起きる。
味噌が、お湯に溶ける。
学校に、友だちがいる。
太陽が、光と熱を放つ。
枕に、てんとう虫がとまる。
僕が、いる。
肩にのこる嬉しさの余韻
彼岸参りでおじゃました、ある檀家さんの家。
お参りが終ってお茶を頂いてると、そのうちの小5の男の子が不意に立ちあがって僕の肩を揉み始めた!僕は驚いて、でもその子のなすがままに肩を揉んでもらった。ひとしきり揉むと、その子は独り言のように「あんまり肩凝りじゃないなぁ。」と言って、また不意にこたつに腰を下ろした。
僕はその子の余韻を肩に感じながら、訳もなくそれが嬉しくってしょうがなくって、そのことを思い出すだけで何度でも”思い出しほくそ笑み”をしてしまう!
子どもが不意に肩を揉んでくれる。
”決めゼリフ”にうっとりするよりも、アタリマエのことがちゃんと起きている不思議さを、ひとつひとつ受けとっていきたい。
Unlock your life.
Unlock yourself.