Unlock yourself. 自分を”アンロック”せよ

津波から奇跡的に生還した”禅僧”の「自分をアンロック」するブログ。

なかまが、そこにいる

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精進上げ

うちのあたりは、葬儀が終わるといわゆる「精進上げ」と称して皆さんにごちそうを振る舞う。それまでは納棺〜火葬〜通夜までは肉・魚を使わないいわゆる「精進料理」が振る舞われる。葬儀・初七日が終わって初めて精進料理ではないものが振る舞われる。(東京あたりだと「通夜=寿司」みたいになってるらしく、うちのあたりから東京の通夜に出席すると「葬儀前に寿司食べるのか?!」と、軽くカルチャーショックなのだ。(笑)

それはともかく。

 

3年越しのお礼

先日の葬儀の「精進上げ」で、僕の隣りに座った70代ぐらいのダンディーな紳士が、本家さんのご挨拶が終わるやいなや、そわそわしながら話しかけてきた。

「和尚様にお礼が言いたかったんです。」

そう言って話をし始めた。

聞くとその紳士は、3年前(多分)僕の講演の記事を新聞で読んだのだそうだ。その記事の中で僕は「震災に遭ってわかった。私たちの悩みの99%はどうでもいいこと。そんなこと気にせず、生きたらいい。」という趣旨のことを語っていたそうだ。

「悩みの99%はどうでもいい・・・あのコトバに救われました。私は割に小心者で日頃些細なことにくよくよしてしまうんです。あの日以来、ココロが軽くなりました!あのお礼が言えるとは、今日はこのご縁に感謝しています。。。」

なんということだろう!

とても小心者には見えない紳士の方からこんな言葉をいただけるとは!

しかも講演そのものではなく、新聞記事で、救われたという!

そして、この正直さ…

 

(参考:過去記事) 

satoryoki.hatenablog.com

 

プレゼントはサプライズ

僕は嬉しくて嬉しくて(しばらく俯いて涙をこらえてから)紳士の手を取って握手した。あぁ、ありがとうございます、ありがとうございますと補聴器を付けた紳士の耳に何度もつぶやいた。なんてサプライズなプレゼントなんだろう。講演したり法話をさせてもらう機会はあるけれど、それが聞いた人の人生の何かの足しになったのかどうか、正直分からないもの。そもそも、「人生を変えよう」と思って話していた訳ではない。僕が自分の思いを正直にあるがままに放てば、響く誰かがいるとは思っていた。

けれど…

 

Smells like water

僕らの想像が及ばないところで、僕らのコトバや思いが化学反応を起こして、’誰かの人生を変えていることがあるのだろう。僕は、そのカラクリに多少遠慮すぎていたのかもしれない。この時代に生き、多かれ少なかれ震災をリアルタイムに体験した私たちは、見知らぬ者同士かもしれないけれど、それでもやはり仲間なのだ。

高校の理科の先生が「私たちはみんな、”宇宙船地球号のクルーなんだ!”」と、そのコトバだけ自然にテンションが上ってしまいながら語っていたのを思い出す。使いすぎたコトバはやや照れくさいけれど、でも間違いなく誰もが”今を生きる仲間”であるとは言える。

仲間…

なかま。

 

響く誰かがいる、なんて

ちょっと水臭かった〜!

 

スカしてんな〜(笑)

It smells like water!

 

仲間なんだもの。

な・か・ま!

なかまが、そこにいるんだ。

 

思ったこと言って、

共に幸福を願い、

夢を語り、

今を生きようよ!

 

Unlock yourself.

Unlock your brotherhood.

 

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