Unlock yourself. 自分を”アンロック”せよ

津波から奇跡的に生還した”禅僧”の「自分をアンロック」するブログ。

結局、ヴァイブスなのさ。

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「あいのり」

なんとなくプレッシャーに感じていた、大阪での法話が終わった。今までも色々なシチュエーションで話をしたけれど、何故か大阪に「アウェー感」を感じていた。行く前に「感じていた」んだから、それは架空の妄想なのだ。

結果から言えば、「やっぱり通じるよね!」。殆どの人が時には笑い、時には涙しながら聞いてくれた。それは「聴く」というものでもない、「あいのり」のような感覚だった。僕は僕の「話術」や「話芸」、「ボキャブラリーの多さ」などなど、人前で話をすることの「スキル」はそんなに高くない。でもたったひとつの自負は、「ほんとうのことを話す」こと。それだけは僕の誠意として、高い純度を保ちたい。それが僕らの言う「ヴァイブス(振動)」として、その場に居合わせるひとに伝わるはずなのだ。そう、それは思考ではなく”身体の共振”なのだ。

 

与える喜びを与える喜び。

話してる最中に、ついつい涙が溢れてしまい、何も持っていなかった僕は会場の誰へともなく「誰かハンカチ貸してください」とねだった。すると中央後方に立っていた紳士が駆け寄ってくれ、「これ使ってください、いや、差し上げます。私はタオル屋だから!」とおっしゃった!僕はありがたくて嬉しくて存分にハンカチで涙や鼻水を拭った(笑)しかしハンカチも喜んでくれただろう。その紳士はなんと会場である楷定寺さんの総代長(門徒さんの代表)さまで、終わった後も握手に来てくれた。ハンカチを持っていなかった僕は、ハンカチを与える喜びを与えることが出来た。そして紳士はその機会を待っていたかもしれないのだ(タオル屋だもの!)

 

結局、ヴァイブスなのさ。

少なくとも僕は、津波で助かったいのちを誰かのために使おうと思ってはいる(第2のギフト)。もし震災の体験を話すことがそれなら、どこででも誰にでも話したい。考えてみれば日本だけでなくハワイ、アメリカ、(タイのお坊さんの前でも!)、日本語も英語も話したことがあるけれど、「アウェー」なんてどこにもなかった。むしろ、どこへ行っても「ホーム」でしかなかった。僕がほんとうのこと、自分のことを誠実に話す限り、ヴァイブスの純度が高ければ、それで話は通じるのだ。それはもはや「言葉によって構成される話」ではなく、「ヴァイブス」が伝わる。ヴァイブスを感じて、「あいのり」が増えてくる。

ただそれだけのシンプルなことなのだ。

 

最後に

門徒の皆さんと一緒に

「なむあみだぶつ」をお唱えさせてもらうよう

お願いをした。

 

僕らは

共有した時間のヴァイブスを感じながら

 

ただただ

 

なむあみだぶつ

なむあみだぶつ

 

と、お唱えした。

  

なむあみだぶつ

なむあみだぶつ

 

そう。

結局全て、ヴァイブスなのだ。

 

※楷定寺さんのご好意で、動画を撮らせてもらいました。

”体験”よりは純度が落ちるかもしれませんが、

動画でも伝わるヴァイブスはあるかもしれませんので

よかったら見てください。

 

Unlock yourself.

Unlock your Vibes.


【3つのギフト】大阪・楷定寺 永代経法話

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3月11日の過ごし方


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3月11日の過ごし方

こんにちは。

ご存知かもしれませんが

僕は2011年3月11日14時46分。

岩手県釜石市の沿岸部を走行中に

津波に遭いました。

 

流される僕のクルマが

後方のトラックにぶつかり

そのトラックの屋根に飛び乗って

そこで助かりました。

 

僕を始め東北の(特に沿岸部の)人たちは

この時期が本当に辛い。

「忘れない」なんて言うのは外部の人。

 

当事者の私たちは

忘れたくても忘れられない。

 

そこで、お願いです。

 

3月11日の、過ごし方について。

 

3月11日は、テレビを消して

そっと過ごしてください。

 

そして、こころ静かに

 

東北の風景を思って下さい

東北の友人を思って下さい

東北の痛みを思って下さい

東北の哀しみを思って下さい

東北の美しさを思って下さい

東北の温かさを思って下さい

東北の底力を思って下さい

東北の笑顔を思って下さい

東北の希望を思って下さい


そして、3月12日になったのなら

 

東北の友人に

メールやラインをして下さい。

 

「元気?今度遊びに行くよ!」と。

 

そしてぜひ「遊びに」来てください!

 

私たちは元気です!

 

元気が無い時もありますが

おおむね元気です!

 

むしろ日常に疲れたあなたより

元気かもしれません!(笑)

 

これが

僕からのささやかなお願いです。


3月11日が
すべての友人たちにとって
安らかでありますように。

 

Unlock yourself.

Unlock your past.


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なかまが、そこにいる

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精進上げ

うちのあたりは、葬儀が終わるといわゆる「精進上げ」と称して皆さんにごちそうを振る舞う。それまでは納棺〜火葬〜通夜までは肉・魚を使わないいわゆる「精進料理」が振る舞われる。葬儀・初七日が終わって初めて精進料理ではないものが振る舞われる。(東京あたりだと「通夜=寿司」みたいになってるらしく、うちのあたりから東京の通夜に出席すると「葬儀前に寿司食べるのか?!」と、軽くカルチャーショックなのだ。(笑)

それはともかく。

 

3年越しのお礼

先日の葬儀の「精進上げ」で、僕の隣りに座った70代ぐらいのダンディーな紳士が、本家さんのご挨拶が終わるやいなや、そわそわしながら話しかけてきた。

「和尚様にお礼が言いたかったんです。」

そう言って話をし始めた。

聞くとその紳士は、3年前(多分)僕の講演の記事を新聞で読んだのだそうだ。その記事の中で僕は「震災に遭ってわかった。私たちの悩みの99%はどうでもいいこと。そんなこと気にせず、生きたらいい。」という趣旨のことを語っていたそうだ。

「悩みの99%はどうでもいい・・・あのコトバに救われました。私は割に小心者で日頃些細なことにくよくよしてしまうんです。あの日以来、ココロが軽くなりました!あのお礼が言えるとは、今日はこのご縁に感謝しています。。。」

なんということだろう!

とても小心者には見えない紳士の方からこんな言葉をいただけるとは!

しかも講演そのものではなく、新聞記事で、救われたという!

そして、この正直さ…

 

(参考:過去記事) 

satoryoki.hatenablog.com

 

プレゼントはサプライズ

僕は嬉しくて嬉しくて(しばらく俯いて涙をこらえてから)紳士の手を取って握手した。あぁ、ありがとうございます、ありがとうございますと補聴器を付けた紳士の耳に何度もつぶやいた。なんてサプライズなプレゼントなんだろう。講演したり法話をさせてもらう機会はあるけれど、それが聞いた人の人生の何かの足しになったのかどうか、正直分からないもの。そもそも、「人生を変えよう」と思って話していた訳ではない。僕が自分の思いを正直にあるがままに放てば、響く誰かがいるとは思っていた。

けれど…

 

Smells like water

僕らの想像が及ばないところで、僕らのコトバや思いが化学反応を起こして、’誰かの人生を変えていることがあるのだろう。僕は、そのカラクリに多少遠慮すぎていたのかもしれない。この時代に生き、多かれ少なかれ震災をリアルタイムに体験した私たちは、見知らぬ者同士かもしれないけれど、それでもやはり仲間なのだ。

高校の理科の先生が「私たちはみんな、”宇宙船地球号のクルーなんだ!”」と、そのコトバだけ自然にテンションが上ってしまいながら語っていたのを思い出す。使いすぎたコトバはやや照れくさいけれど、でも間違いなく誰もが”今を生きる仲間”であるとは言える。

仲間…

なかま。

 

響く誰かがいる、なんて

ちょっと水臭かった〜!

 

スカしてんな〜(笑)

It smells like water!

 

仲間なんだもの。

な・か・ま!

なかまが、そこにいるんだ。

 

思ったこと言って、

共に幸福を願い、

夢を語り、

今を生きようよ!

 

Unlock yourself.

Unlock your brotherhood.

 

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